Story

ごあいさつ


こんにちは。はじめまして。

お立ち寄りいただきまして、ありがとうございます。

ボタンのお店 Anfisa【アンフィサ】の店主、鈴木マキコです。

ここでは少し自己紹介をさせていただきたいと思います。

チェコに恋した小学生

私は子供のころ手芸が大好きな明朗な女の子でした。

小学生だったある日、テレビで見た美しい国。一緒に見ていた母親が、後日ガイドブックを買ってきてくれ、チェコという国だと知りました。衝撃の出会いでした。

大学生になったら、チェコ語を勉強してチェコに行こうと心に決め臨んだ大学受験。でしたが、在住している関西には専攻でチェコ語が学べる大学がなく、副専攻でチェコ語が学べる大学のロシア語学科へ入学しました。

意気揚々と大学に入学しましたが、大人の事情でチェコ語の授業がなくなっており、立ち直れないほど落ち込みました。その後、第一外国語としてロシア語、第二外国語として英語を勉強し、英語圏の国へ留学。在学中に憧れのチェコへ旅に出ました。

さむーい時期に行ってしまったのですが、雪ががかったプラハ城の美しさ、凍り付いた川が見渡せるカレル橋に感激したのを今でも覚えています。

人々も温和で優しく、満足のいく旅行でした。そう、小さなころからの夢を達成して、満足してしまったという感じでした。

初めてのチェコ旅行、その後。。。

チェコに行ってしばらくしてから就職した先は、関西のとあるメーカー。偶然に担当した商品の製造国がチェコでした。毎日ローカルスタッフにメールをして電話をして…あれだけ憧れていた国、チェコと思ってもみないご縁をいただきました。

厳しい仕事でしたので、時には無理なお願いをしましたが、皆素朴でまじめで、相手を大切にしてくれる仕事ぶりだったので、一緒に仕事をしていく中でチェコ人の人柄にも魅了されていきました。

その後結婚し夫の転勤についていくことになり、その仕事を後ろ髪を引かれる思いで退職しました。

なんとかなる!で飛び込んだはいいけれど…

転勤先は関西から300キロ以上離れた田舎の山の中。なんとかなる!と誰も知らないところに飛び込んでいったわけですが…

実際は友達もなかなかできず、20代後半で田舎で仕事につくことは大変でした。また、結婚ししばらく経っても子供にも恵まれずで、精神的にかなり辛い日々を送っていました。

仕事をしていた時は楽しかったな…せめて仕事さえ見つかれば知り合いもできるし、ここでの生活も楽しくなるはずだ…

毎日、毎日思っていました。

私なりに前向きに、積極的に人にしゃべりかけたり、いろんなところへ飛び込んでいったところ、少しずつですが仲良くしてくれるお友達もでき、また地域のお年寄りの方との交流もあってとても有難くて、だんだん地域のことが好きになり、頑張るぞ!と就活も力をいれ始めたわけですが。。。

とある採用面接で、面接官に言われた一言。

「その年で子供いなかったらどこもとってくれないでしょ?」

29歳の夏でした。田舎での29歳は子供が少し大きくなり手が離れてくる年齢。

とにかくショックでした。

好きでこんな状況になってるんじゃない!

泣きました。子供のように泣きました…

退職、引越し、子供のできないストレス、ライフスタイルの変化についていけない自分がいました。

人生のどん底で見つけたキラキラ

その頃時間だけはたっぷりあったので、OL時代はご無沙汰していた手芸に熱心に取り組んでいました。ネットで手芸ネタを探すことも楽しみの一つでした。ある日ネットをしていて、ふと目に留まった「チェコのガラスボタン」。

私のチェコ熱と手芸のアンテナがピーンと立ちました。

これを仕事にしたい!

小学生の頃、チェコと出会ったときと同じくらいの衝撃でした。

そこから、チェコのボタン工房に直接メールをして輸入して、販売サイトを作って。。。長い、長い真っ暗なトンネルの中でまばゆいほど輝くチェコのボタンを見つけ、無我夢中でした。

チェコのガラスボタンが出口を指してくれたように思います。

自分らしく、輝く方法を教えてくれたのかもしれません。

エピローグ

2014年に思い立ってから現在までしばらくたち、私は関西に戻り、子供にも恵まれました。

今となっては、ちょっぴり辛かったあの経験は、私をチェコのボタンへと導いてくれたのかなと思っています。

現在、手元にはたくさんのチェコのビンテージボタンがあります。

何十年も前の職人の手作りボタン。あなたの人生にも物語があるように、ボタン一つ一つにも物語があります。きっと、あなたとの運命的な出会いを待っているボタンもあるでしょう。

ぜひAnfisaがお届けするボタンを手に取って、出会ったその瞬間の心のきらめきを感じていただきたいと思います。

私は現在、チェコの素敵なボタンを紹介したいという気持ちはもちろんのこと、ライフスタイルの変化が多い女性が手芸を通して繋がり、心と生活を豊かにしてほしいという気持ちで、このボタンの仕事を行っています。

微力ながら一人でも多くのお客様に喜んでいただけるように頑張ってまいります。

ボタンのお店Anfisa【アンフィサ】

鈴木マキコ